300冊から厳選!思わずイッキ読みしたくなるおすすめ新書15選
新書って種類多くて、選ぶのに苦労しませんか?
と、今回は年間250冊ほど本を読む僕が、いままで読んで特におもしろかった新書を紹介していきたいと思います!
「これ良さそう」という作品があったらAmazonでチェックしてみてください。
読書欲が冷めないうちにぜひ!!!
## 【経済】作家の収支
タイトル通り、作家のお金事情についての本です。
著者は、全てがFになるの作者である森博嗣さん。
よくある作家さんの作品が売れると、テレビなどで「印税が〜」って話になりますよね。
何万部売れると、いくらになるのかについて詳細にかかれているのが本書です。
さらに、1冊だけでなく、何冊を出版して、1作品がこれくらい売れて、さらに映画化、漫画化されると...
出版社を通したときの印税、キンドルなどで出版したとき...
などなど事細かい懐事情を知ることができるのは面白いです。
本人は、「これといった大ヒット作もないから本来ひじょうにマイナな作家である」といってましたが、総発行部数1400万部、総収入15億円ですからね...
そういう方が書いたっているのがまたリアルで面白いところです。
## 【経済】武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新
作家の収支に続いて、収支シリーズをもう一作紹介しておきます!
こちらは、江戸時代後期の武士の生活の実態ついて書かれた本。
話の主役となってくるのが加賀潘猪山(いのやま)家。
猪山家は代々御算用者で、そろばんを使って帳簿の間違いを探すといった仕事をしていました。
その猪山家の家計簿が発見されたことにより、江戸時代の暮らしぶりが明らかになったというのが本書のあらすじ?です。
自腹の交際費をどう捻出したのか
少ないお小遣いで日々やり過ごすためには
借金返済のためは着物や古書を売った
など結構現代と似ているところがあって、逐一「ほー」と関心させられます。
この本の中での主役といっても、この本は時代小説ではありません。
それでも新資料によって明らかになった武士の経済状況について研究内容がノンフィクションチックに書かれているので、読みやすい作品でした。
数年前に、新書初の映画化がされているので、新書よりも映画派という方はこちらのチェック!
## 【スポーツ】F1ビジネス戦記
F1についての歴史モノ、ノンフィクション本です。
著者は、ホンダの全盛期に広報・渉外スタッフをしていた方です。まさに最前線で見てきた方ですね。
ボク個人はまったくF1について事前知識もありませんでしたし、アイルトン・セナをかろうじて聴いたことがあるくらいでした。
ただ、そんなド素人でも十分楽しめます。
アイルトン・セナとはどんな人物だったのか、エンジン開発をめぐる攻防。
そしてF1という視点からみた本田宗一郎が垣間見られる作品でした。
サブタイトルには、「ホンダ『最強』時代の真実」とありますが、ホンダだけがフィーチャーされているわけではないので、F1というスポーツ&ビジネス
を知ることができる読み物として単純に面白いです。
## 【テクノロジー】VRビジネスの衝撃―「仮想世界」が巨大マネーを生む
今話題のVRについて書かれた本。
VRをテーマにした本は他にも何冊か読みましたが、この本がダントツでわかりやすくおもしろかったです。
VRの難しい原理や、技術的なことも簡単にチェックできる作品は他にはもうない気がしますね...
4KTVとVRの違いは?
VRが怖く感じる理由とは?
なぜVRを安く提供できるようになったのか?
VR酔いが起きる原因とは?
見出しが質問形式になっていて、簡潔に説明してくれるのが良かったです。
## 【テクノロジー】人工知能は人間を超えるか
VRと同じように2016年のホットワード「人工知能」について書かれた本。いわゆるAIってやつです。
この本はとにかくわかりやすい!!
著者は、日本トップクラスの研究者の一人である松尾豊氏。
これまでの人工知能研究の歴史から、「人間のように考えるコンピュータ」の実現するためにどんな研究を行っているのか、「人工知能研究における50年来のブレークスルー」と呼ばれるディープラーニングとは何かをとてつもなくわかりやすく紹介してくれています。
これホントすごいですよ...
また後半では、「人工知能が発達すると、人類はどうなるのか?」についてまで解説されています。
よく「AIが進化すると、人間の職がなくなる。」と言われていますよねー。そこのところホントはどうなのか?についても書かれています。
そこらのニュース番組ではなく、現役研究者の松尾氏の意見ですからねー。貴重。
こちらの本はAudibleでの聞けるようになっているので、未登録の方はぜひ!
## 【テクノロジー】ドキュメント コンピュータ将棋
AIが一般的に一躍有名になったのは、コンピュータが人間が将棋で対戦する「電王戦」ではないでしょうか?
本書は、そんなコンピュータ将棋の世界についてのノンフィクション本です。
コンピュータ将棋というと、冷たい、無機質なイメージを受けべがちです。
しかし、本書ではあまりスポットライトが当たらないコンピュータ将棋を作っている"人間"、つまり開発側についても書かれています。
コンピュータVS人間という絵になっているものの、実際裏では人間VS人間の熱いドラマが繰り広げれられています。
作中でそれぞれインタビューを受けていて、各方のバックグラウンドを知るとまた面白いんですよね。
さきほど紹介した「人工知能は人間を超えるか」ではコンピュータ将棋について言及されている部分もあるので、同時読みするともっと面白いですよー。
## 【テクノロジー】ロボットとは何か
AIについての本を紹介していたので、この本も紹介せざるを得ないです...
タイトルは、ざっくり「ロボットとは何か」。
著者は、アンドロイド研究の第一人者である石黒浩氏。
石黒氏は、自分をモデルにしたロボット「ジェミノイド」を開発したことで有名です。
本書では、なぜそのようなロボットを作ったのかが独自の視点で書かれています。
もともとコンピュータビジョンを学んでいた著者が、なぜアンドロイドを研究するようになったのか、アンドロイド研究が「人間とは何か」という哲学的な問題に繋がったのか。
アンドロイドを見つつ、人間の本質を覗き込める良書です。
## 【科学】大人のための「恐竜学」
「そもそも『恐竜』って何?」
と聞かれたらどう答えますか?
答えとしては
『トリケラトプスと鳥類の最も近い祖先から生まれたすべて』
が正解です。
ではなぜ定義の中で、トリケラトプスが出てきているんでしょうか...
といった恐竜についての最新事情について書かれた本です。
(トリケラトプスの件は、ぜひ本の中で探してみてください)
本のタイトルに「大人のため」と付いている通り、大人が読んで「へー」と思いながら読める一冊。
歴史では、鎌倉幕府ができたのが実は1192年じゃなかった!ということで教科書の記述が変わったことが話題になりましたが、
恐竜界にも、このように昔ではあたり前だったことが、最新の研究結果によって実は間違いだった...
ということもしばしばあるようです。
恐竜の色は?
と聞かれると、ティラノサウルスなら赤っぽい色を想像しますが、現在の研究では皮膚色素の解析によって全く違う色になったようです。
一体何色なのかはぜひ本書をお読みください。笑
## 【科学】99・9%は仮説
「仮説は実証して初めて真実になる」
そういえば、ドラマ「ガリレオ」で湯川先生がこう言っていましたねー。
さて、この本は「仮説」がテーマ。
著者でサイエンスライターの竹内薫さんがこの本の中で言っているのは
科学の基本―それは、「世の中ぜんぶ仮説にすぎない」
ということ。
今まで当たり前だと思っていた常識や固定観念は、科学の観点からよーく考えると、実は仮説に過ぎないということです。
例として挙げられているのが
飛行機がなぜ飛ぶのか?について
教科書には、
1. 飛行機の翼が上面、下面の形状が異なっており、上面の空気が若干速く流れる。
2. 翼に沿って流れる空気の圧力に差が生じる。
3. この圧力の差(揚力)によって飛行機は飛ぶ。
という一応の説明はあるのですが、これも実は仮説に過ぎないのです。
(この説明が間違っているのは、たしかに上面の空気のほうが早いものの、上面と下面の空気が同時にスタートしたとは限らないから。こんな感じだったかと)
と、このように世の中にまかり通っている、実は仮説に過ぎないのに、常識になってしまっていることについて言及していきます。
文系の僕でもさらっと理解できたので、科学嫌いの人でもぜひ読んでほしい一冊です。
補足 : 99・9%は仮説にかぎらず、竹内薫さんの著書は、どれも分かりやすいものばかりなので、科学系をかじってみようかな...という人はまず竹内さんが本を出してないかチェックしてみるといいですよ。
## 【宗教】マイ仏教
著者がみうらじゅんさんの、仏教をテーマにした本です。
仏教というテーマから、宗教系は難しそうというか苦手と思われがちですが、仏教の教えが50%、みうらじゅんさんの仏教エピソードが50%ととっつきやすい構成になっています。
将来の夢が住職だった話、仏像にハマりまくった少年時代、青春時代という「荒行」といった話もエッセイ風で面白いですし、ラフに仏教に関する知識も盛り込んである点も良かったと思います。
個人的には、ビートルズの「イマジン」にインスパイアされ、将来の寺号を「イマ寺院」にしようとしたというエピソードはかなりツボでした。
## 【物理学】ミリタリーテクノロジーの物理学
素粒子物理学者の多田将さんの書いた物理学の本。
金髪の物理学者としても知られている方です。
極小の世界が生み出す、極大の破壊力。
と帯に書いてある通り、この本では極小のもの「核」がテーマです。
原子核が膨大なエネルギーを生み出す仕組み
兵器に利用する際の設計方法
冷戦時代につくり出された究極の産物
などが信じられないほど分かりやすく解説されています。
核がテーマなので、当然核爆弾や原発も取り上げられますが、本書では政治的・倫理的な是非はノータッチ。
客観的に取り上げられにくいテーマなので、純粋に「物理」「核」について楽しみたい身としては読んでいてありがたかったです。
## 【経済】ルポ 貧困大国アメリカ
30万部を超えるベストセラーとなった超人気作。
テーマはアメリカの貧困事情。
「ルポ」と題しているように、堤未果さんが取材した結果がまとめられています。
「戦争の民営化」と「経済的徴兵制」に強くスポットが当てられていたのが印象的。
ジョージ・W・ブッシュ時代の副大統領であったチェイニー副大統領が経営をしていたハリバートン社に見られるような戦争用の派遣会社。
その会社が世界中に網を巡らし、貧困国からイラクに労働者を送り込んでいるという戦争ビジネスについてです。
僕自身高校2年生の頃に読んでいて、「アメリカでもこんな格差があるんだなぁ」と直感的に理解できました。
あまりにも分かりやすくリアルで、それ以来経済や政治にも興味を持つようになるきっかけとなる本でした。
## 【ノンフィクション】知られざる天才 ニコラ・テスラ
よく都市伝説で取り上げられているニコラ・テスラについての本。
ニコラ・テスラといえば、交流送電。
本書では交流送電を思いつくまでのいきさつや、直流送電を推したトーマス・エジソンとのやりとりまで描かれています。
テーマは科学ですが、予備知識等は必要がないので読み物としてサクッと読み進められますよー。
## 【書評】面白い本
タイトルに「面白い本」とあるように、著者が面白い!と思った本の紹介&書評がまとめられた本。
著者は、人気書評サイト「HONZ」の代表を務める成毛眞さん。
この本で取り上げられると、必ずと行っていいほどブックオフで高値で売られるようになってましたね。笑
ピンポイント歴史学
学べない人生
タイヘンな本たち
鉄板すぎて紹介するのも恥ずかしい本
ちなみに、本書ではおすすめ本100冊がこのような独特なテーマ(?)で分類されています。
各本に半ページほど書評が載っているんですが、「うわ、これは読みたいわ...」と思わせるようないいトコロがまとめられてるので、買い過ぎには注意した方がいいかもしれません。
事実、紹介された本を全部購入したツワモノもいるそう。全額◯十万です。笑
まとめ
新書って結構当たりハズレが多いような気がします。
僕も新書を読み始めたころは、他人のおすすめばかりを読んでいましたね。
あまり読書することないな...という人はぜひこの15冊から選んでもらえると嬉しいです。